<内容>
第1弾の体験として、4月4日(木)からは「バベルの謎-アートデータサイエンスの創造-」と題し、ピーテル・ブリューゲルの名画「バベルの塔」の謎をインターネットを駆使して迫ります。東京藝術大学COI拠点で制作された「バベルの塔」の3D映像「Study of BABEL」を螺旋状の空間に投影。「バベルの塔」に集結されている人類の智慧を視覚化し、世界有数の名画にまつわる情報の海を泳ぐような芸術の奥深い一面を味わえる空間体験をお楽しみいただけます。
<代表挨拶>
偽典の「ヨベル書」によれば、神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた。しかし人々は、新技術を用いて天まで届く塔をつくり、シェムを高く上げ、人間が各地に散るのを免れようと考えた。神は降臨してこの塔を見「人間は言葉が同じなため、このようなことを始めた。人々の言語を乱し、通じない違う言葉を話させるようにしよう」と言った。このため、人間たちは混乱し、塔の建設をやめ、世界各地へ散らばっていった。
バベルの塔は1563年から65年に書かれた大バベル、小バベルの2枚の傑作絵画で有名だが上記のように人間が集合して神の域に達しようと奢った考えを懲罰するために神がこの塔を壊し、人類を様々な地域に分け、言語を違えて散らばることを策した物語である。しかし、その説には古来様々に異なった解釈がある。
ピーテル・ブリューゲルの制作意図がどのようなものであったにしろ、彼がこの傑作を残した故に人類は数百年もの間旧約聖書に残された神話の真意を測ろうとさまざまな思考、調査を繰り返してきた。芸術がもたらす意味とは作品そのものの以上に技術と智慧の粋を凝縮することによってあぶり出される疑問や問題提起の創造にあるのではないだろうか?
そこで今回、芸術作品が生み出した疑問への問題解決を、人類が生み出した新たなバベルの塔である、インターネットと東京藝術大学が生み出したクローン技術そしてAI技術を駆使して迫るとともにそこに結集されている人類の智慧を視覚化することによって、旧約聖書によれば言語や地域が個々によって違えられた人類が、実はその後も同時進行的に建設的な努力を共有している、ということをさまざまな面から実証しようと思う。ここでは毎日、ネット上に集められたバベルの塔への疑問と、その回答への努力が螺旋状の迷路の中で視覚化され、その数百年の過程の中で生み出され、また今生み出されるアートコンテンツがライブで発信されることになる。訪れる方々は無限の情報の海の中で、芸術作品が灯台の灯火のように文化の多様性の克己への出口を示す瞬間を体験することになるだろう。
ディレクター&キュレーター
伊藤順二(東京藝術大学社会連携センター 特任教授)
<サイト>
<開催期間・開場時間>
2019年4月〜12月までの期間限定。
月曜日-金曜日:11:00-19:00(土・日・祝日はお休み)
※観覧無料※
<会場>
大手町プレイス・ウエストタワーB2F ART LAB. (〒100-0004 東京都千代田区大手町2-3-1)
<アクセス>
東京メトロ大手町駅A5出口徒歩1分/JR東京駅丸の内北口徒歩7分
<主催>
東京藝大COI拠点文化外交・アートビジネスグループ
<協賛>
NTT都市開発株式会社
<ディレクター&キュレーター>
伊東順二(東京藝術大学社会連携センター 特任教授)
<お問い合わせ>
TEL 050-5525-2787(東京藝術大学社会連携センター)